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WENTZ BOOK REVIEW 24 「鑑定人 氏家京太郎」

2025.03.13
WENTZ BOOK REVIEW 24 「鑑定人 氏家京太郎」

安定した大どんでん返しの巨匠 中山七里の新しいシリーズです。

最近物価の高騰で文庫本も高くなりました😢

しかし頭の栄養に読書は欠かしてはいけませんね。

<あらすじ>

3人の若い女性が次々と残忍な方法で殺害されます。

警察は財務官僚の息子でネクロフィリア(とても和訳できません!自主規制です)の那智貴彦を逮捕します。しかし、彼は3件目の犯行は否認します。那智の弁護人でヤメ検の吉田は 旧知で元科捜研の職員で現在は民間の科学捜査鑑定所を経営する氏家京太郎(女性の扱い方が下手な44才)に再鑑定を依頼します。

しかし その過程で警視庁科捜研(特に元同僚の黒木)や谷端検事(吉田弁護士とは犬猿の仲)・警察の邪魔が入り 氏家の会社も荒らされたり 職員の橘奈翔子が襲われたりと大きな壁が氏家の前に立ちふさがります。

県警の高頭冴子などの数少ない協力を得て 地道な活動の結果 意外な事実が明らかになります。

氏家たちは トイレの隅々まで証拠を探します!

ミステリーファンなら真犯人や犯行動機は中盤で予想つきます。

(那智の動機はサイコだが 3人目殺害の真犯人の動機は許せないかな。この犯罪動機の対称も深く考えさせられます)

この作品の面白いところは謎解きよりも

国家権力と民間との対峙。

検事と弁護士との腹の探り合い。

鑑定に対する意地のぶつかり合い。

加害者の親と 被害者の親。

そして犯人の心の闇。

結果的には後味のかなり悪い作品です。

グロよりもこの先ほとんどの人が報われないという余韻を残して物語は終わります。

このシリーズはまだ続きます。

次の作品にも期待です♬

山元哲也
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WENTZ BOOK REVIEW 23 「夜のピクニック」

2024.10.05
WENTZ BOOK REVIEW 23 「夜のピクニック」

<あらすじ>

地方都市の進学高校では毎年「歩行祭」という80kmを昼夜問わず歩く続けるという行事をおこなってます。

高校3年生の甲田貴子はある決意を胸に秘めて このイベントに臨みます。

それは,今まで話したこともないクラスメイトの西脇融と話をすること・・・

となると 甘酸っぱい青春恋愛小説💝と思うのですが 違います💦

物語はこの二人と 二人のそれぞれの親友たちが絡み合い24時間の時間が過ぎていきます。

貴子と融との間に何があるのか?その謎は物語前半で明らかになるのですが・・・

物語は盛り上がるとことがそれほどなく 淡々と時は過ぎていきます。

しかし 終盤なぜかしら胸が熱くなってしまいます😢

融の親友 戸田忍が融に向かって発した言葉が特に印象的でした。

「ノイズ(雑音)だっておまえも作ってるんだ。ノイズはうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃならないんだ」

読後、学生時代の友人は一生かけがえのない存在だと再認識させられました。

また、この本の作者は個々の心理感情や 風景光景の描き方が上手い!

たまにはこういう本も良いですね😊

20年前映画化されるようです🎵
山元哲也
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WENTZ BOOK REVIEW 22「博士の愛した数式」

2024.08.17
WENTZ BOOK REVIEW 22「博士の愛した数式」

長いお盆休み中に何冊か本を購入しました。

本命の本の隣にポツンと置かれた薄い文庫本が今回レビューします「博士の愛した数式」です。

<あらすじ>

主人公はシングルマザーで家政婦の「私」です。

彼女は60過ぎの数学博士のもとに家政婦として派遣されます。

この博士 昔交通事故をおこしてしまい 8時間経過すると新しい記憶をなくしてしまいます。

そんな博士と私 そして博士から√(ルート)と名付けられてしまった私の息子との交流が淡々とつづられていく物語です😊

博士は1975年の頃の阪神タイガースファンで特に江夏を気に入ってました。

なぜ江夏なのか・・・それは江夏の背番号「28」

28の約数を 足していくと28になるのです♬(1+2+4+7+14=28)

博士はそれが美しいと🎵(頭の良い方の感性がわからない(笑))

読後~じんわりと胸が熱くなってきます😢

数式しか愛せない博士の魂が開放されていく過程が素晴らしいです。まるで難しい数式を解くがごとくです。

映画化もされています。

是非 両方とも体験されはいかがでしょうか!

山元哲也
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WENTZ BOOK REVIEW 21「自由研究には向かない自由研究」

2024.07.17
WENTZ BOOK REVIEW 21「自由研究には向かない自由研究」

今回はイギリスのミステリー作家 ホリージャクソンの筆によるものです。

<あらすじ>

5年前に起きた女子高校生(アンディ)失踪事件と アンディの彼氏サルの自殺。

警察はサルがアンディを殺害して そのあと自死したと判断します。

サルの事を知っていた主人公ピップ(女子高生)は 夏休みの自由研究という名目で 隠された真相を サルの弟ラヴィンと共に解明しようとします。

研究の過程で次々と明るみにでる真実・・・ピップは真相にたどり着けるのか!?

ピップのイメージかな(笑)


ピップをはじめ 登場人物の個性が巧みに表現されて 読む側も知らず知らず没入してしまします。

いろんな人物が登場しますので 相関図を頭に入れないと終盤の展開についていけないかもしれませんが ピップの言動は好感持てるので、勢いで読破できます📚

驚愕の結末は 必ずしもハッピーエンドではありません(ピップの愛犬パーシーが真犯人の手にかかり亡くなります)薬物・SNS・ひき逃げ・いじめ等 現代社会に蔓延する不条理も描かれています💊

それにもめげずに ゴールに向かい突き進む姿は爽やかです😊

続編もあるようですので機会があれば手にとってみたいと思います。

山元哲也
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WENTZ BOOK REVIEW 20 「白鳥とコウモリ」

2024.06.24
WENTZ BOOK REVIEW 20 「白鳥とコウモリ」

東野圭吾 文庫本最新刊です。

上下巻と分厚いのですが すらすらと読破できました。

<あらすじ>

面倒見の良い弁護士として有名な白石の刺殺死体が発見され 警視庁の五代刑事は捜査を開始します。

早々と容疑者倉木にたどりつき 本人も罪状を認め事件は終わったかのように思えたのですが 被害者の娘美令と加害者の息子和真は 事件に疑念を抱き 独自に真相解明の行動を起こすのですが・・・・

犯罪の被害者家族、加害者家族それぞれの苦しみと葛藤が 過去の殺人事件と絡み 異様な展開になってきます。

作者の巧妙な文体が 登場人物の個性をありのままに表現しています。若い二人(和真と美令)の心理描写も丁寧にかかれていて 好感をもちました。

ただ、このミステリーの結末・・・賛否両論。

ある意味反則技かもしれません。

五代刑事は 加賀恭一郎に比べるとさほどの存在感はありません。

しかし、彼のいつもの口癖が印象的でした。

「すべての女性は名女優」

山元哲也
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