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WENTZ BOOK REVIEW 25「ジョーカーゲーム」

2025.04.09
WENTZ BOOK REVIEW 25「ジョーカーゲーム」

最近消化不良な本ばかり読んでました。

そんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれたのが「ジョーカー」です。

作者は 柳広司。

<あらすじ>

昭和10年代(今から100年前太平洋戦争前夜の頃) 日本陸軍中佐結城の提案により 秘密裏に設立されたスパイ養成学校のD機関。

そこで鍛えられた精鋭たちが難事に立ち向かう連作小説です(エピソードは5作)

どの作品も傑作なのですが 表題作「ジョーカー」と「XX(ダブルクロス)」が秀逸でした。

スパイ活劇というよりも ミステリー色が強く、頭脳戦・心理戦といった展開で思わずうなりたくなります。

結城が語るスパイの条件「殺さない」「死なない」「とらわれない」

その意味が分かった時 心に衝撃が走りました。

魔王と言われた冷徹な結城がラストでみせた行動は 彼も人間なんだと思いました。

この本のネタは60年以上も前の日本映画「陸軍中野学校」をモチーフにしています(市川雷蔵主演)

私も10代の頃鑑賞しましたことがあるので直ぐに納得しました。登場人物の名前もだぶったりしています。

設定が100年前なのですがこの本 設定の古さを感じません。それどころか昨今の混迷する国際状況(関税貿易戦争)だからこそぜひ読んでいただきたい本です。

山元哲也
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