WENTZ BOOK REVIEW 4
2022.04.18今回紹介するのは ブラジル人パウロ・コエーリョの作品「アルケミスト」です。
<あらすじ>
スペイン人の羊飼いの少年サンチャゴが前兆に招かれてエジプトのピラミッドにあるという宝物を探しに旅にでます。
旅の途中でいろんな人と出会い 思いもよらぬトラブルに巻き込まれながらも砂漠を横断してピラミッドにたどり着きます。
はたして サンチャゴは宝物を手にすることができるのでしょうか・・・
ポルトガル語で書かれた文章を和訳してます。
ぎこちない箇所もありますが 3時間程度で読破できます。
この本には名言が多くでてきます。
特に気に入ってるのは サンチャゴが旅で出会った錬金術師(アルキメスト)とのやり取りです。
錬金術師「傷つくことを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、お 前の心にいってやるがいい。夢を追及しているときは決して心は傷つかないものだ」
サンチャゴ「なぜ、人の心は夢を追い続けと言わないのですか」
錬金術師「それが最も人の心を苦しめることだからだ。そして心は苦しみたくないものだ。(途中省略)夢の実現を不可能にするものが、たった一つだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ」
●この本のストーリーで心がざわついたシーンがありました。
ピラミッドに向かう途中のオアシスで ファティマという女性と恋におちます。
この先旅を続けて生きて帰れる保証はありません。サンチャゴは宝物をあきらめてファティマとオアシスで暮らすことを選ぼうとします・・・💛
そこで例の錬金術師が サンチャゴにアドバイスをします。
一体どんなアドバイスなのか、続きは本書を読んでください。
登場人物もストーリも単純です。
しかし 何度も読み返すことで(私は8回読み返しました)珠玉の名言を発掘することができます💎なるほど・・・これが宝物か😊
老若男女 すべての方々に手に取っていただきたい小説です📚
WENTZ BOOK REVIEW 3
2022.04.02今回レビューさせてもらうのが 伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」です。
ミステリー小説の範疇にあまりいれたくない作品です。
田舎から引っ越してきた大学生の椎名が いきなり隣人の河崎から本屋で広辞苑を盗まないかと誘われます。強引に手伝わされるのですが、そのあと2年前の事を知ることになります。
河崎の元カノ琴美と 彼女と同棲していたブータン人ドルジそしてこの3人を取り巻く事柄が丁寧に描かれます。
読んでる途中で 琴美はすでに存在してないと推測できるのですが・・・この後とんでもないどんでん返しが待ち受けています😊
この作品で取り上げてるボブディランの名曲「風に吹かれて〜Blowing In The Wind」「ライク・ア・ローリングストーンズ」
神の声と評した河崎 。
伏線回収されていく終盤 これらの曲がかなり重要な意味をもってきます。
読後にずっしりとくる作品で 登場人物たちの会話がボブディランの詩のように素敵でした。
How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
The Answer is Blowing in the wind
(どれだけ歩けば 一人前の男として認められるのだろう?
その答えは風が舞ってる)
ボブディラン「風に吹かれて」から一部抜粋
「アヒルと鴨のコインロッカー」どういう意味なのでしょうか?
その答えはこの本のなかにある♬
WENTZ BOOK REVIEW 2
2022.03.25お彼岸過ぎても寒い日々が続きます。
本でも読んでほっこりしましょうか😊
今回ご紹介するのは 朝倉かすみの『平場の月』です。
50才過ぎた青砥が 地元で旧クラスメイトの須藤葉子と再会し 淡い恋におちいるのですが・・・二人とも今まで波乱万丈な人生をおくってきました(言葉を変えると人生の負け組です)そんな二人のつつましい恋愛は葉子の病(大腸がん)によって悲しい結末を迎えることになります。
ネタバレになってしましましたが 物語の冒頭で葉子の死が語られています。
いきなりの結末から始まるこの小説、じわじわと心を揺さぶります。慈しみ・労り・孤独と悲しみ・純愛、切り口は多様です。
そして余命いくばくもない葉子が 青砥に対しとった言動が、終盤になって感涙の展開になります。😢
「1年後 一緒に熱海に行こう」
「わかった」
これが二人が交わした最後のやりとりです。
読後 葉子の気持ちを考えてるといろいろと考えさせてくれます。
近日 石田ゆり子主演で映画化もされるようです。
映画鑑賞の前に ぜひ読んでいただきたい書籍です本
WENTZ BOOK REVIEW 1
2022.03.15ミステリーにはまって 以来 週に2〜3冊ペースで書籍を乱読しています📚
そんな本の中から 心に響いたものを紹介します。
記念すべき第一作目は 小野寺文宜(ふみのり)の『ひと』
ミステリー本乱読の合間に手にした本です。
両親を相次いで亡くしたために大学を中退した主人公柏木聖輔が 50円のコロッケをお婆さんに譲ったことで 聖輔の人生が新たに動き出します。
淡々と進むストーリー 特に山場はないのですが 読後の清々しさにほんのりします。
最後の一文には目頭が熱くなりました。
過酷な状況下で いろんなことを諦め いろんなものを譲ってきた主人公が唯一譲れなかったものとは・・・
終盤 心に残った文章があります。
「人材の替えはあっても 人の替えはない」
ミステリーで鬼畜な人間ばかりと出会ってた私には心のうろこが取れるような一冊でした♬
ミステリー特集 第3弾!📚
2022.02.04珠玉の名作をさらに読み続けています📚
ここ数十年の傾向として「叙述(じょじゅつ)トリック」が本流になってきてることでしょうか。
簡単にいうと叙述トリックとは 「読む側を騙すトリック」のことです。
若いころから推理小説ファンでしたが社会人になってからは遠ざかっていました。
15年位前に面白いからとすすめられたミステリーが 歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うこと」でした。
終盤の衝撃度はかなりのものでした。
賛否両論あったと聞きましたが、私はミステリー界のオルタナだと感じました。
こちらの本 ミステリー小説の歴史を変えた名作といわれてます。
日本ミステリー界の「ニルヴァーナ」と表現すべきでしょうか♬
これも叙述トリックです。
歌野晶午の「葉桜〜」より早く世に出てたと思います(私の場合 葉桜から読みました)
騙されないようにじっくり読んだせいか、数々の伏線が随所にばらまかれていることに ちょっとは気づきました。
終盤の衝撃度は「葉桜〜」よりは若干落ちましたが かなりの方が驚いたかなと思います。
叙述トリックは読者を操つるものですから 作者の高度な文章力が不可欠になります。
今後も難解なミステリーにチャレンジしていきます😊
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